物を大事にすること
今まで物にとらわれて生きるのはカッコ悪いと思っていた
物はあくまでも便利に生活するためのツールであり
それのために時間を割くことは本末転倒だと思っていた
そのため、多くの物を所有することを嫌って必要最低限の物しか
買わないし生活空間にも置かなかった
買わずに借りられるものは所有するより借りる方が
管理する時間もいらず、気が楽だった
消耗品は古くなると定期的に変えられるよう、最初から安価な物を選んだ
引っ越しを間近に控えた最近になって
ふと家の中の家具たちを見ながら私は突然気づいた
私は今まで物を大事に出来ていなかった
物も言わば人と同じで縁があり私の元へ来てくれていた
それなのに私はまだ使える物でも一新したい気分の時には、ばっさり捨ててきたし
少しでも違うと思えば簡単に買い替えてきた
どうやってそれを活かそうと考えることもなく
物にとらわれないという思いにとらわれていたのかも知れない
今まで大して感謝もされず、あってあたり前で壊れたら買い替えると思われながら使われてきた私の家具たちが、とても健気で、私はとても申し訳なく、愛おしく感じた
会社員時代の自分をみているような気持ちにさえなった
そうだったんだ
人は自分が接したように人から扱われる
昔読んだ本の中にそんなことが書いてあって
私はそれを人に対して限定の話だと解釈していたが
これは物にも言えたんだ
私が物を消耗品と扱うから会社からも私は消耗品と扱われていた
腑に落ちた
これから私は自分の家具や物を自分の家族だと思って丁寧に扱おう
小さなものも大切に扱おう
私の生活のために私と共に働いてくれている仲間なんだ
感謝の気持ちを忘れずにいよう
そうやって周りを見渡すと家の中が暖かく感じる
ああ、やっぱり物にも思いがあるんだね
見栄のために物にとらわれることと物を大切にすることは全くの別物
その違いがよく分かっていなくて
私は見栄のために物に振り回されたくないという思いにとらわれて
いつの間にか物を大事に出来なくなっていた
「物が手に入りにくい田舎への引っ越し」というイベントのお陰で気づくことが出来た
気づかせてくれてありがとう
また一つ考えが変わった