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人生の岐路で感じることを伝えたい

毒親との関係の変化

親との関係に変化があった。

 

数週間前に、実家から何時間もかかる土地へ引越しをした。引越しも転職も猛反対をされ落ち込んだが、親の人生ではなく私の人生だと割り切ることにし、親とは親しくなるのを諦め、精神的にも物理的にも距離を置くことに決めた。

 

引越しの荷解きもやっと落ち着いてきた頃、親よりどうしても一度引越し先の家を訪ねたいと連絡があった。

 

距離をおくといっても絶縁したいわけではなかったので無碍に断るのにも抵抗があった。心配だから一度家を見ておきたいという気持ちも分からなくもない。でも親に長時間振り回されるのは私の心が疲弊するので避けたい。

迷った挙句、泊まるところは我が家ではなく近くのホテルでいいならという条件付きで承諾することにした。冷たい娘だと少し後ろめたい気持ちもあったが私は私を傷つける人とは距離をとると決意した。自分の心に無理をさせたくない。

 

正直当日まで気が重かった。

数時間の我慢だ。夜には解放される。親孝行と思って耐えよう。きっとまたいつものように暴言を吐かれて貶されてイヤな気分になるのだろうなぁと憂鬱に思っていた。

 

ところが今回は違っていた。

 

当日何時間もかけて高齢の両親が我が家を訪ねてきた。途中交通事故などにあわないか気が気ではなかったので元気な顔を見て安心した。

 

そしてすぐに異変に気付いた。いつもならすぐに暴言を言うのに今日はそれがない。

相変わらず口は悪く両親どうしでの罵り合いはあるものの私に対しての暴言が全くない。

何か気に障ることを言われても、落ち着いて冷静に対応しようと身構えていた私は完全に肩すかし状態だ。

 

夜お酒を一緒に飲みたいと父が言うので居酒屋へ行った。私はお酒はいける口なのだが親と一緒の時はいつも殆ど飲まなかった。でもその日は飲んでみることにした。

 

とりとめのない話を数時間した。

いつもの暴言もなくお酒の力もあり割と楽しかった。気を許して話せたように思う。みんな良く笑っていた。

 

帰り際に、父に「仕事を頑張れ」と言われた。

 

奇跡だと思った。

 

応援して欲しいと思っていたけど、言ってもらえないともう諦めていた。

 

どういう心境の変化なのか分からなかったけど、帰ってからなんだか沢山涙が出た。

 

言葉に出来ない感情が溢れた。

親が買ってくれたストーブの炎を見ながら涙がびっくりするくらい出た。

今までの心のわだかまりがストーブの炎で燃えてキレイになくなっていくような気がした。

 

私は親に愛されていないと感じていたけど

親に愛されていた。

親と私の相性が悪く、親も愛し方がうまく出来なかっただけだったのかも知れない。

愛情はあったんだ。

 

安心したような嬉しいような悲しいような謝りたいような怒りたいような、疑いたいような信じたいような、色んな感情が混ざった何とも言えない感情でいっぱいになった。

 

距離を置くと決めたことで関係が良い方へ変化したと思う。次いつ会えるか分からないけれど、次会った時に仕事を頑張っているよと胸を張って言えるように頑張ろう。